大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和27年(あ)2508号 判決 1953年6月04日

主文

本件上告を棄却する。

理由

被告人両名の弁護人平岡義雄の上告趣意第一について。

本件賭博が金銭を賭したものであって、一時の娯楽に供する物を賭したものでないことは第一審判決の確定したところであるから、本件が刑法一八五条本文の賭博罪を構成すること論を俟たない。そして、賭博罪の規定が憲法一三条に違反しないことは当裁判所大法廷の判例の趣旨とするところである。(判例集四巻一一号二三八〇頁以下参照)されば、原判決は正当であって、所論はその理由がない。

同第二について。

所論は、単なる訴訟法違反の主張に帰し、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。元来訴訟行為は、その行為当時の訴訟法規に遵拠すれば適法有効であること多言を要しない。

そして、被告人光畑勉が本件起訴当時既に満十八歳を超えその当時の少年法六八条一項の規定により少年法の適用から除外されていた者であったことは記録上明白であるから、司法警察員又は検察官が同法四一条又は四二条の手続を執らなかったからといって、訴訟法違反であるとはいえない。それ故、本件について刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 斎藤悠輔 裁判官 真野 毅 裁判官 岩松三郎 裁判官 入江俊郎)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例